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「企業倫理をコンプライアンスに含めて考える」ということを今までもお話してきましたが、「企業倫理」は抽象的ですので、ここで、少しだけ具体的なお話をします。 「企業倫理」を考えるうえでは、以下の3つの視点が役に立ちます。
(1)経営の透明性 (2)企業の説明責任 (3)企業の誠実性
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「産地を偽装した」という不祥事が発覚してしまったケースを考えます。
(1)経営の透明性の視点です。 産地のシールを貼る作業員レベル=事実知らず/知っていて仕方なく 工場長・ライン長レベル=事実知らず/偽装を指示・実行 経営者レベル=事実知らず/偽装を支持 もしも、経営の透明性がある企業であれば、「偽装という不正」は、末端の従業員から、経営トップまで速やかに事実として伝わるでしょう。まずは、会社全体が、このような事実を認識できる体制が必要なのです。 そのような透明性のある会社(報告・連絡・相談がしっかり出来ている会社)であれば、どこかの段階で自浄作用が働くはずです。 「偽装は良くないでしょう?」という当たり前の感覚です。 「上司に言われたから逆らえない。」 そのような現場での意見をよく聞きます。 本当に社長(経営トップ)がそのような偽装を支持・命令している場合は論外で修復不可能ですが、たいていの場合その支持・命令は、「自分(会社)の業績を上げたい」がための管理職レベルでしょう。 透明性のある企業の自浄作用というのは、このような管理職の暴走を抑えるのに役に立つのです。 つまり、最高決定権を持つ経営トップの企業倫理がしっかりしていてその企業倫理(経営理念)が末端まで伝わっているならば「上司の言うこと(産地偽装)はおかしい。」と、経営トップまで伝わりトップが軌道の修正を図ることが出来るからです。
(2)企業の説明責任の視点です。 「産地偽装」が内部告発にせよ外部監査にせよ発覚した場合には、経営者はそれを処理する必要があります。 この時に不祥事に蓋をするというのは、論外です。 最近TVを賑わす不祥事の多くは経営者が不祥事を隠そうとしたからです。 第一に経営者のすべきことは不祥事に対する調査です。
(1)何が起きたのか? (2)不祥事発生の原因は何か? (3)責任者は誰か? (4)再発防止策の作成。
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これらの調査結果をまとめたものを、報告書にします。そして、それを関係する様々な利害関係者に発表しなくてはなりません。利害関係者とは一般的には以下のような者になるでしょう。
(1)管轄行政機関 (2)取引先企業 (3)消費者 (4)地域コミュニティ (5)株主 |
「不祥事を発表することはリスクではないのか?」 今の時代、そのような考え方をすることこそリスクだと、考えてください。
(3)企業の誠実性の視点です。 誠実性という言葉は、分かりやすいようでいて実は難しいです。それは、人によってその度合いが違うからです。ただし、それはあくまでも個人の倫理感における誠実性の話。企業の誠実性は、それほど曖昧なものではありません。
不祥事が発覚した時に、会社はどのような対応をしたのか?
この対応が誠実であれば良いのです。 すなわち、先に説明したように、早急な調査と対応策の検討、そして外部への報告です。 このことを速やかに行なえるかどうか? 企業の誠実性とは、そのような考え方になります。
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以上のように、曖昧になりがちな企業倫理を「報告・連絡・相談」のしっかりした透明性のあるシステムを構築することで具体化し、会社のコンプライアンス体制をより強固なものに出来るのです。
以上で第5回のセミナーを終わります。お疲れ様でした。
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